ミャンマーの「キハ」
クーデターによって民主化に急激なブレーキのかかってしまったミャンマーだが,ほんの2年くらい前までは著しい発展を遂げようとしていたアジアの国の一つだった。
ミャンマーの最大都市「ヤンゴン」を訪れると日本製の車がとても目に付く。
そして市内を環状に走る鉄道もかつて日本で使用されていたたたくさんの車両が今なお現役で活躍している。
環状線とはいっても山手線のようなものではなく1時間に1本程度の頻度で時刻表さえもないようなローカル線である。
敷設された線路はとても整備されているとは言いがたく,それ故に自転車ほどのゆっくりとしたスピードで横に縦に揺られながらのんびりと走るのだ。
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その中でも印象的だったのがJR東海の「太多線」と「高山線」で使用されていた「キハ11」である。
車内のシートは公園のベンチのようなスタイルになっていたが,デッキ付近の料金表示板はそのまま残されており,筆者が中学高校時代に通学で使用した車両そのものだったのである。
今から半世紀近くも前に毎日利用した「キハ」が,今まさにミャンマーで余生を送っているのに再び巡り会えたのは極めて幸運だ。
再び訪れることができるような国に戻ってほしいと強く願うばかりだ。